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EnjoySky-3 日帰り旅行を楽しみたい

Agua Caliente温泉

どんなところ?

・2007年4月に、MIAir のI さんから、「近くに温泉があって、行った人がいるんだけど、聞いてあげましょうか?」「面白そう・・。ぜひお願いします。」ということで、 I さんの知人からの情報で近くの温泉を、2ヶ所、教えてもらいました。そのメッセージをそのまま引用させてもらうと
"L12から一番近いのはアグア温泉(L54 Agua Caliente Springs)でしょうね。 ただし、ここはゴーアラウンドはできませんから、一発で決めなければ なりません。また温泉まで、20分ほど歩く必要があります。"

・さらに、もう少し情報を集めるべく、Redlands飛行場の西方にある、ショッピングモールCitrus Plaza の中の本屋、Barnes & Noble Booksellers に行って、温泉関連の本をコンピューター検索してもらった。 結構、案内書が多いのが意外。もっとも、 飛行機でいける、とかいう本はなくて(当然か)、クルマで旅する案内書です。

・この本では、California, Nevada州で110ヶ所!もの温泉(Hot Springs)が紹介されている。
・Agua Caliente Hot Spring についての紹介内容は・・・
  南カリフォルニアの砂漠低地にある、州立公園内の郡営のキャンプ場にある。
  この公園は、9月から5月までオープン。The park is only open September through May.
  アウトドア(湯温32℃)と室内温泉(湯温35℃)とがある。
  San Diegoの東95マイル。
  未開発型か開発されたタイプか?・・・・開発されたタイプ
  ガソリン、食事、日用品などの店はなく、35マイル南の小さな町Ocotilloまで行かねばならない。

行く前の調査(日本で)

 ”ゴーアラウンドが出来ませんから・・”とあるので、Aoiport/Facility Directory を調べた。

・なるほど、飛行場の西側に丘があってゴーアラウンドが難しいということか?1/2マイルの西に460ftの丘だと滑走路から丘頂上を仰ぐ勾配は9.9度。 C-152のVx:55ktsで、上昇率を厳しく500fpmで計算すると、上昇角は5.2度!。これでは確かに丘に衝突。

・次に、では地形は、とGoogle Earth を調べてみた。(右図)
 丘の頂上はrunway29の延長線から南に外れている。また、北側は砂漠平地。ゴーアラウンドは右にターンすれば不可能ではない。 (Google Earthは初めての飛行場の地理地形を予め知っておくにはとても便利なサイトだ。)

・GPSの活用
友人のHさんから、GarminのGPSナビを借りていて、あまり使いこなせていなかったが、マニュアルを勉強、今回の経路を入力して現地で使いこなせるようにした。

図をクリックすると拡大します

2007年9月訪問で挑戦

・EnjoySky!#3ツアーとして、2007年9月にRedlandsを訪問。この時は、MIAirが経営者交代で改名 MYAir になっており、いつもお世話頂いたI さんもすれ違いで、Redlandsにはいない。この訪問の目的のひとつが、Agua Caliente Hot Springの空からの訪問。以下はそのときの日記から抜粋、少々長いですが・・・。

・2007年9月11日(火)AguaCaliente
5時半起床、7時20分にSuper8 MotelをレンタカーのPontiac Grand Prixで出た。
MYAirのキーボックスからファイルとセスナ152のキーを取り出し、早速準備に入る。今日は、今回エンジョイスカイの目玉のひとつ、Agua Calente 行き。初めての地域ゆえ早出、予定の0900出発に対し、給油後のエンジン始動0845、離陸を0853に出来た。
高度7500ftを目指しClimb。

・March空域に近づき、Socal Approachに127.25でコールしたところ、134.0を指定され、そこにコンタクト。先方は、かなり忙しく何度目かに応答を得たが、 Stand Byを指示され、待ち続けた。ようやく先方からコールされ、Flight Followingをリクエスト。Squawk4655を得た。

  
  
Hemet付近から東方山地を望む<クリックして拡大>   

Borrego Valley手前山地風景<クリックして拡大>

・コース第1の中間目標地点、Hemetの先の大きな湖 Diamond Valley Lakeを視認、その手前にHemet空港、上空を通過して、いよいよ始めての地域に機首を向ける。ちょっと不安。 ヘディング116度、次の目的地Borrego Valleyまで30分の長いレグになる。

・Borrego Valley手前では、近くのJulian VORのHIWASから、どこのことか聞き取れないが、ceiling below 1000とかvisibility less than 3 mileとか無線が入ってくる。確かに前方の平地は白くガスらしきもので覆われているし、山越えで、かなりの気流の乱れがあり、このまま進めていいものか、不安になったが、しばらくすると 再び安定した気流に戻った。視界は良好な状態が続き、7500ftの高度からはTRMの南のSalton Lakeも大きく横たわって見渡せた。GPSも機能良好で、Borrego Airportも視認できた。

・Agua Calienteはその先、さらに山があり、右に避けて回りこんで向かった。GPSの指し示す方向についに目的地、Agua Calienteの空港を視認!。 GPSは本当に便利。日本でじっくり検討したNavLogプランが終わりに近づく。Google Earthであらかじめ地形や空港の見え方を確認してあり、パソコンのプリントアウトも持参したが、 まさにそのとおりにAgua Caliente空港が視界に飛び込んでくるのは感激。徐々に大きくなってくる。

  
Agua Caliente飛行場視認!<クリックで拡大>  

先着?機と並んで<クリックで拡大>

・左右にターンしつつ高度をTPAの2000ftに下げながらRight Downwindに45度進入。AbeamからRight Base, Finalと順調にアプローチ、Runway29に迫り、 やや狭い滑走路上をフレアしつつ減速、タッチダウン。短くて、Go Aroundは前方に丘があるので出来ませんと脅かされていた空港ながら、十分の距離を残して機速を落とし、滑走路上を末端までタクシング、ユーターン で左側の駐機スペースに機を固定した。
・1004、1時間11分であった。NavLogでは1時間01分とあり、10分余分にかかったが、これまでのクロスカントリーからすれば上出来すぎる時間。 本音スケジュールでは実フライトを1時間30分見込んでいたので、滞在時間に余裕ができた。
隣に、低翼、V尾翼の、Beech Bonanzaがすでに駐機されていて、この訪問者も温泉狙いか?などと思慮。


ハイウエイからHot Springsの案内標識<クリック拡大>

Hot Springsへ向かって歩く道の脇のサボテン<クリック拡大>

・いよいよ、Agua Calienteの温泉を体験と、飛行場を後にしてあらかじめ調べておいた方向に歩を進めた。
とにかく日差しは強く、温度も高い。まったくの砂漠地帯、真夏ではないといっても、たぶん40度を超える暑さ。ひとの気配はなく、両側にサボテンが 続くゆるい登りを進む。やっと15分ほど歩いて、入り口の管理人小屋につくとそこは"Closed"。写真くらいとるかと、当地の看板前で撮影。


公園入り口の案内板

プールのような屋外温泉

・ここはキャンプサイトになっているが、誰の姿も見えない。とにかく行ってみようと進むと、小さなプールが見える。これが屋外温泉。無人。その反対側に、 温室のような建物があり、これが大人用のセラピー・スパとある。誰もいないが、中に入って、更衣室で着替え。さあ、とプールのような部屋に進もうとすると 初めのゲートは、入れたがすぐ先の、スパ室へのガラスドアが、ロックされていて、赤い字でLocked。

  
こちらが屋内温泉の建物 

室内温泉が見える。案内掲示

・さっき、この建物の前に一人、人が見えてたなあ、 と出てもいない。しょうがないので、シャツをはおって、帽子をかぶり、先ほどの管理人小屋に向かう。ドアに管理者の名詞が挟んであったので 携帯で電話。つながらず。見れば日本から持参の3G対応携帯は「圏外」表示。周りの小屋もノックしても無人。
こんなところで、長くいると熱中症になるのでは、と不安がよぎる。

・先ほどのロッカーに戻り、あまりに暑くなってきて、少し気分も悪くなってきはじめる。「これはまずい、こんな所にいて倒れたら、ひとけ無しで、最悪のことに」 などと怖くなった。シャワーで体を冷やしてから、早々に下山しよう、としたが、このシャワーまでお湯!。ますます気持ちは不安に。急いで着替えて、落ち着こうと持参のバナナを1本食べ、水ボトルがら水を飲み、下山の途につく。
下り道は、風が少し吹いていて、気分もよくなった。帰途は道路から離れ、砂漠地帯を突っ切って、空港に近道。

  
Airport でなくAirstrip とある・・

・152に乗り込んで、スタート準備。風が吹き込み、暑いながらも少しは楽になった。ここでまたバナナと水で、一息。
さて、これでエンジンがかからなかったらどうしようと、プリフライトチェックを簡便にすませ、マグスイッチを右に回して、R, L, Both, Start - - -。一発目、かからず。む、まずいと思いつつ、少し間をおいて、再度トライ。- - - ブルーン!かかった。よかった、これで帰れる!と、 本当に胸を撫で下ろしてほっとしました。ホントーによかったー!!。始動1150。帰りはRunway11から、離陸。1153。離陸上昇。なんとなく、上昇が弱く、地面が一気に遠ざからず、力がない。が、Left CrosswindからBorrego Valley方面に向かいつつ上昇。

・GPSを見るといつまでたっても自機位置がAgua Calienteのまま画面上を動かない!こんなときに!と思いつつ、reset, 初期化などをしていたら、 GPS信号が消えているというメッセージ。そのうち、動作は復帰された。アンテナ線のコネクター接触不十分だったのか? 今日は全く想定外なことが、起こるもんだ、と思いつつ7500ftまで上昇。後は順調に戻った。 HemetあたりのATISがキャッチされてくると、いよいよ地元に帰った気分でほっとする。

  
Hemet近くのDiamond Valley Lake<クリック拡大> 

持参したGPS III plus, 役に立ちました<クリック拡大>

・Redlands帰着。1305。実飛行時間1時間12分。駐機完1308。

<本日の反省>
・本に書いてあることを鵜呑みにして、9月だから当然温泉は開いている、としたこと。本の記述もひどいが、シーズン初めの月でもあり、電話で事前確認をしておけばよかった。

2008年1月訪問でリベンジ

・前年9月の訪問時には、温泉が開業していなくて、おまけに酷暑高温でひどい目にあった。今は、真冬の温泉シーズン真ん中、同じMIAir でライセンス取得のパイロット、FJ さんとその友人, Uさんと3人で、アメリカの温泉、Agua Caliente Hot Springs に再挑戦、リベンジです。

2008年1月11日(金>
・今回はComplex機のPiper Arrowを初めてインストラクター同乗なしに借り出す。「ランディングギヤ故障時は?」 「わきの赤いノブを押し下げる」・・ 「注意していってね、GUMPSチェックを忘れないように。ギヤダウンを忘れて着陸、が一番こわい」 Jamesの注意内容を確認。

・離陸、10:20、巡航高度は前回9月152と同じ7500ft。着陸11:09で実フライト49分。 平均速度は86nm/49分×60分〜105kts。 巡航は120KIAS(~133KTAS)。前回は往復とも61分、85KIASだった。Piper Arrowの機長席側窓には、小窓が開いて、景色が直接撮影できるのがよい。今回は左向きだけだがクリアな写真とビデオが取れた。
飛行は、天候クリア、GPSもあり、またAgua Caliente手前のBorrego Valleyまでは2日前にJamesときており、空域にも迷いなく飛べた。

出発前に左からUさん、FJさんとでArrowの前で

BigBear山地を後方に見る<クリックして拡大>

砂漠地帯に差し掛かる<クリックして拡大>

途中写真やビデオ撮影時はFJさんが操縦。天候最高、視界無限大、気流安定のためSOCAL Approachとの交信も省いたことから、とても楽な飛行となった。

・着陸は、Piper Arrowのcomplex機で3人乗りだし、runwayは短い狭い(2500x60 vs. Redlands 4505x75)のでより慎重に入ったがややショートファイナル速度が速く (70kias+)、runwayの2/3くらいを使ってブレーキング完了。 前回9月の152でははるかにrunwayを残してブレーキングを完了出来たので、やはり大きな違い。Short Field Landingのつもりで着陸目標点をnumberより近くして、低く遅く入るべき。そのためにはファイナルを長く取ってしっかり姿勢と 速度を作ることが必要だろう。今回のファイナルは短かったかもしれない。飛行機操縦は、まだ未熟、奥が深い。

・今回は、気温も快適、同行のUさんが、砂漠の中の温泉場Agua Caliente Springsへの登り道を外れては熱心に携帯写真を取りまくるので、 なかなか温泉場に着かず、飛行機の予約確保時間の制約もあり、気になったが、自分の発案ツアーを、喜んでくれているわけで・・・・。

・やっと、温泉場についた。9月に来て見知ったる小さな屋内プールのような風情で、今回は10人弱、先客がいた。 温度も快適、ジャグジー(噴流)もあるし、温室の中のような室内は明るく、周りには砂漠風景が望める。U さんはプカリプカリと仰向けに湯に浮いてリラックス。のびのびリラックス・・・・

ご夫妻と私たち
・メキシコ人で大阪に5年いたという中年女性が、我がグループに大阪弁も交えて話しかけてくれて、話が弾む。
アメリカ人のご主人も脇にいて時々参加。San Diego北のOceanside市に住んでいて、ご主人は、バイク乗りも趣味。ここには結構きていて温泉を楽しんでいるそうだ。

・彼女達は、帰路、我々に水ボトルをくれたり、温泉場入り口の売店でサンドイッチはないのかとか聞いてくれたりしてくれながら、飛行場まで送ってくれた。 飛行前に簡単ランチをとり、Agua Caliente Airstrip を13:50離陸、帰路は気楽なフライトで、さらに多く操縦をFJさんにお願いし、写真、ビデオを撮った。 到着、14:45、実フライト55分、行きより6分多く掛かった。

着陸は2回ともベストではないがまあまあだったと思う。

唯一の売店、パン、ピーナッツジャム、ヨーグルトなどランチ材料を買う

<ツアーの終わりに>
・今日は、初めての観光地へのジョイントフライト、9月の温泉場クローズド事件のリベンジも出来た。温泉自体もリラックスできるものだったし、 アメリカ人夫婦と知り合えた。 Arrowの操縦も、FJ さんのアシストもあり、旨くいったし、充実した1日だった。
・私のEnjoySky!も第2フェーズ、ジョイントフライトに入れた。 今年はもう1回ジョイントフライトで1泊くらいのロングを企画したいものだ。