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San Luis Obispo訪問記  初めての一泊フライトツアー

 今回は、初めての一泊フライトツアーにEnjoy Sky もステップアップ
 海岸沿いの街、San Luis Obispo をCessna-172で、Pilot仲間のSさんと訪問。
・・・・地中海気候に似ているというこの地域は、夏8月でも20度台、夜ともなると半そでではいられないくらい涼しくなる。 ・・・ 市街も、そぞろ歩きの人々が多く、クルマ前提のアメリカの市街とは 異なってヨーロッパ風。街中を両側に緑の多い小さな川が流れ、人々が遊び、その川沿いには公園や屋外レストランもある。
 夜は、先ほどの川沿いレストラン、NOVOへ。木々の間にある席につき、オーダー。メニューはInternational Cuisineとでもいう、各国のメニューを新しい感覚で創作的にアレンジしたもので、 量もアメリカらしくなく多くない。ワインとともにエンジョイ、雰囲気がよく、満足できるものだった。NOVOは、ポルトガル語で"新しい"という意味。Redlandsにはない都会的なレストランだ。


2009年夏8月16日(日) 
   初めての1泊フライトツアー
 2,3日前から、同行のSさんとの2パイロットで、初めての一泊フライトツアーを計画した。目的地は太平洋沿岸のSan Luis Obispo。 Los AngelesとSan Franciscoの間にある小さな街。それでも空港はclass D。私の当面の目標は、サンフランシスコへの2,3泊のフライトツアーであるが、 いきなりは無理なので、まず一泊ツアーという意味合いもある。
 また、ロングクロスカントリーフライトでは、出発地、途中経路、目的地の全てで気象条件が、私たちの飛べるVFR minimumを満足する必要がある。 一泊ではさらに翌日の気象条件も、VFR OKでないといけない。当日、翌日の2日に渡り、全域でVFR OKであることが必要で、これは なかなかクリアしにくい条件だ。

出発 
  Redlandsには2004年から来ているが、この夏は、連日、朝は、かってないほど霧(といってもLA特有のHazeまじり)が多く、 なかなか晴れない。 今日も宿泊しているモテルを出るときには、 北の山地は全く見えず、太陽もぼんやりかすんでおぼろ月の如し。空港について、出発予定時間のかなり前から気象情報(隣のSan Bernardino空港のATISが便利)を聴取しつつ好転を待つ。

先ず最初の目的地、Bakersfield/Meadows(BFL)へ
 やがて上空も晴れ渡り、Preflightを開始、機材はCessna-172, N3426E。エンジン始動09:19 離陸09:25。 まずSさんがPICで最初の目的地、BakersfieldのMeadows空港(BFL)へと向かう。
 横方向視界が余りよくないのでサークリングにて6500ftまで上昇。    
Sさん「視界が悪ければ、引き返しましょうね」 私「(気象情報では)この辺が一番悪くて、先に進めば問題ないはずなんだけどね」。 初めての地域へのフライトだけにローカルよりは2人ともやや緊張気味。私はMeadowsまでは1回ソロがあるので少し気楽か?高度が上がるにつれて進行方向の視界が確保できてきたので Cajon Passに向かう。いつもはクリアなCajon Pass北側の砂漠地帯も今日はかすんでいる・・。「山の向こうのほうも白っぽく見えます・・」Sさん。 高度8500をとり西へ。 このあたりは、モハビ砂漠の南端、馴染みの景色だ。
09:37(離陸後12分) 巡航100IAS 106TAS エンジンスピード2500rpm。

09:00出発予定に対し離陸で25分遅れ。しかし計画NAV LOGでTASを96knotとしてあったが実際値100+なのでリカバリーは出来そうだ。

気温30度以上の地上から上がってくると、上空気温20度はヒーターを入れるくらい寒く、トイレに行きたい気持ちになってきた。 (先行きやや不安な気持ちも影響?)

到着までの時間を気にしながらPalmdale VOR, Gorman VORを経由して北上。メキシコ国境から北上するフリーウエイ5号線が、LA北部山中でGorman VORをかすめて、第一目的地Bakersfieldの西側に向かっている。

PMD通過GormanVOR方向を望む<画像クリック→拡大>

GomanVOR直前、これから北へ旋回<画像クリック→拡大>
北西に向かう5号線から北に分岐する99号線に沿って飛行、Bakersfield(Meadows)空港のATISをチェック
   "Information Tango
    ウインド12006kts 視界10 スカイクリア 温度27度 露点3度 気圧2992 
    タクシーウエイ工事中GHJKLMNが使用不可
    使用滑走路12L 12R"
であった。
クラスDの近くまで行ってPICのSさんがタワーにコンタクトすると
"Cessna 3426E, Bakersfield Tower,--,Continue inbound"
とのことで、rwy指示はなく、「接近を継続せよ」 との指示。
この指示は初めての言い方。
やがてタワーから
  "Cessna 26E, wind 210at3, altimeter2992, rwy30L, cleared to land"
との指示。ATIS時より風向が変わり、滑走路が逆方向の30Lに変更指示になった。

Rwy30Lに着陸、時刻11:01。すると滑走路上で180度ターンを指示され、滑走路上を逆走行、
Taxiway Eまでもどり左ターン、Rwy30Rを横切りEを継続、Aを右折、左方のFBOに向かうと、早くもFBOのスタッフが飛び出してきてわが機を誘導、エンジン停止。 時刻11:06。離陸から1時間41分。

ここで給油、トイレ。きくとSさんもやはりフライト中に尿意を催したようで、出発前にトイレはすませたものの、視界不良とか、 初めての地への気象不安とか遠距離フライトで二人とも少々緊張した結果かな・・。

BFL, left base <画像クリック→拡大>

BFL,Short Final; <画像クリック→拡大>

次は今回の目的地San Luis Obispoへ 
 ここで私にPIC交代、次の最終目的地、San Luis Obispo(SBP)へ向かう。ここBFLのATIS取得、Uniform。2992、Rwy30R。11:48離陸、西へフライト。
 BakersfieldはSierra Nevada山脈の西裾野にあり、San Luis Obispoは、西に広がる広大なSan Joakin Valley(サン・ホアキン渓谷)と呼ばれる盆地平野を横切った太平洋岸にある。 San Joakin Valleyは穀物生産で有名だが、今日見える眼下には、乾季のため黄土色に乾ききった畑が延々と広がっている。
 進路半ばでGPSの示す直行コースから南にはずして、このあたりにある2箇所の自然保護区を回避。
 SBPの無線到達範囲になり、そのATIS取得、識別記号Golf。「視界7、霧、Sky Clear, Runway29 in use, ESE35mileにTFR(Temporary Flight Restriction)」。なんだろうと思いながら飛行を続けていると、南、Santa Mariaの東方に山火事と思われる煙が上昇するのを発見、2箇所ある。 たぶんこれだろう。
SBPへアプローチ
 今回の訪問目的地SBPに対し南から北上する方向で、いよいよアプローチ。Carb Heat無しで機速を維持しつつ、降下開始。タワーからの指示に従い、29へstraight inで接近。 straight inはtraffic patternを飛ばないので、高度調整やフラップタイミングが難しい。Final Approachになってもまだ高度・速度が規定値になってないと滑走路端での速度や 姿勢コントロールが決まらず、着陸が安定しないで早すぎタッチダウンや遠方接地になったり、時にはドスン着陸になる。 「まず上空で余裕を持って減速」「そうすればファイナルまでに時間が十分あるので安定した着陸姿勢が取れる」とのKevin(私のインストラクターだった)のアドバイスを思い出しながらアプローチ。 着陸 12:38。Ground Controlとコンタクト。 そのときは意味のわからない会話をもたもたしながらtaxiway Eから右折。 最後まで迷いながらGroundからアドバイスを貰ってタワー直下右のtransient parkingに駐機。
そのときのコンタクト内容録音
  PIC- "San Luis Obispo Ground, Cessna 3426E, ah, taxi to transient parking"
  GND-"Cessna 3426E, Standby"
  PIC- "Standby, 26E"
  GND-"Cessna 3426E, How long will you be with us?"(想定外の質問でよく聞き取れず)
  PIC- "Ah(???), I hope to go to transient parking"(妙な返答をしてしまった・・) 
  GND-"Yes Sir, How long will you be here?"(「どれくらいここに滞在しますか?」)
  PIC- "Ah!, One day, one night"(やっと意味がとれて「あー、1日です。一晩ですが」)
  GND-"Cessna 26E, Turn right on A taxiway"
  PIC- "Turn right taxiway A"

12:43駐機完了。BFLからSBPまでの飛行時間は58分。

San Luis Obispo空港とTower <画像クリック→拡大>

SBP空港の事務所ビル前で
空港でランチ 
 San Luis Obispo空港(SBP)は、周囲に緑の樹木も見られる、低い丘陵地帯に囲まれた気持ちのいい飛行場だ。
 Elevation: 212 MSL
 Traffic Pattern: Light Aircraft: 1203 MSL
 Runways: (11-29) 6100X150
       (7-25) 2500X100

あとでKevinに聞いたら、かれはUSAirのPilot CrewとしてPhoenixとSBPの間を飛んでいるそうだ、 ということでエアラインも入ってくる飛行場だ。
 ここは駐機料が必要。支払い方や、空港からの出口がわからず空港付設のレストラン(Spirit of S.L.O.)で聞いて、近くのFBOを教えられた。 そこで支払い方を聞き、またそのFBOから空港外にでた。(S.L.OはSan Luis Obispoの略)

美味、Clam Chowder Soup <画像クリック→拡大>
 やや遅めの時間ながら、先のレストランで昼食。テーブルクロスのテーブルでちょっとおしゃれな雰囲気のレストランだ。 わたしはおおきな丸いパンにはいったClam Chowder Soupをオーダー。Redlandsでは見つからないメニューで薄い塩味、大満足。SLOが海に近いからか。
San Luis Obispo市内へ 
 フライトツアーを計画するとき、いつも問題になるのが空港から市内や観光スポットへの足。ここは事前調査でレンタカーが借りられることがわかっていた。 よく訪れる大半の飛行場ではレンタカーオフィスがあるなんて考えられない。現に、わたしが飛び回るRedlandsにはないし、San BernarddinoはInternatioanlというからあるのかしら、かなり疑問。
 さて、ここではAVISのレンタカーをSさんが借りて、市内のモテルに向かった。15分くらいで、Best Western Sommerset Inn にチェックイン。予約はなかったがOK。 Redlandsからのフライトツアーで、初めての宿泊となった。
多くない。
 一息いれて、San Luis Obispoの街探索。 まず、Visitor Inforamtion Centerに行って地図を購入。いろいろ散策ルートがあるが、南西の丘への散歩ルートを選んで、ちょっとした丘登りとなった。 新しい住宅地の片隅にあるコース入り口から山登り開始。周囲は丘陵地帯で見晴らしもよく天気もよく、とても気分が晴れ晴れする。Relaxing。 30分程度でついた頂上から、 われわれが到着したMeadows(Bakersfield,BFL)が眼下に眺望できた。この角度で、飛行機でないところから飛行場全景を見渡すのは珍しい経験。

SLO郊外を丘の上から望む <画像クリック→拡大>

丘の上から空港を望む <画像クリック→拡大>
 街に戻る。Old Missionという教会がある。 建物の前にSan Luis Obispoの説明がある。これによれば、スペイン領メキシコからよりよい居住地をもとめて、開拓団がカリフォルニアの海岸線を北上、 入植していった。 1776年、東海岸では東部7州によりアメリカ独立が勝ち取られた年、こちら西海岸ではメキシコ人たちがSan Luis Obispoを建設したのだ。 その少し前、この教会は1772年にスペインからの命によりJunipero Serra司祭により建設された。正式には"Mission San Luis Obispo de Tolosa"という。 San Luis Obispoとは英語では Saint Louis Bishop ということでフランス、ツールーズの守護聖人 Louis 司教(Bishop)に因むものだそうだ。   右:Old Mission <画像クリック→拡大>
 地中海気候に似ているというこの地域は、夏8月でも20度台、夜ともなると半そでではいられないくらい涼しくなる。奥地砂漠のRedlandsから来ると別世界だ。 市街も、そぞろ歩きの人々が多く、クルマ前提のアメリカの市街とは異なってヨーロッパ風。街の中心部を、両側に緑の多い小さな川が流れ、人々が遊び、その川沿いには公園や屋外レストランもある。
 夜は、モテルから歩いて15分で、先ほどの川沿いレストラン、NOVOへ。木々の間にある席につき、オーダー。メニューはInternational Cuisineとでもいう、各国のメニューを創作的にアレンジしたもので、量も多くない。ワインとともにエンジョイ、雰囲気がよく、満足できるものだった。 NOVOは、ポルトガル語で"新しい"という意味。Redlandsにはない都会的なレストランだ。

レストラン全景<クリックして拡大>

NOVOと夜景<クリック拡大>
帰路につく  8月17日(月)一泊ツアー2日目
 翌日、モテルから見える丘は雲が低く垂れ込め、ceiling 500ft程度。カリフォルニア沿岸地域に多いmarine layer と呼ばれる現象で、昼前には消えることが判っていたが、現実に空を見上げると、これで晴れて離陸できるのか?と不安になる。

 ともあれ予定通りモテルを発って、San Luis Obispo空港へ。件のFBOで、空を眺めながら待機。 すると、徐々に空は明るくなりはじめ、青空ものぞきだした。 タイダウンの鎖に取りうつけられた駐機料支払い封筒に記入し10ドルを入れて専用ポストに投入。駐機料支払いも初めて経験。SBP到着時にGroundとの交信で、「どれくらい当地に滞在?」と聞かれたのは、一泊以上の専用駐機スペースが定められており、そこに郡の担当者が集金用封筒を機体に取り付けにくるからなのだ。
  Preflightが終わるころには、空もVFRが可能になった。

丘頂上も雲に隠れる <画像クリック→拡大>

ようやく雲の切れ目に青空が <画像クリック→拡大>

SBP空港を離陸機から望む <画像クリック→拡大>

SBPから山越えでBFLへ <画像クリック→拡大>
SBP-BFL
  PICはSさんにてBFLに向けて、エンジンスタート、10:30.Rwy29, 10:40, 離陸10:45。やや北側に回りこんで東の進路をとった。 End of Climb(EOC) 11:00, 1200ftの空港から7500に上昇、15分で平均420fpmの上昇率。ここからは東、進行方向は視界クリア、一路BFLを目指す。フリーウェイ15号線を過ぎるとまもなくBFL。 30Lへ南から進入、前回とおなじアプローチ。TPA進入11:42, 着陸、駐機、エンジン停止、11:53で、1時間8分のフライト時間。

 ランチを取るのでCrew Carを、給油を頼んだFBOから借り出し、1時間$10だそうだ。(Crew Carとかを借り出すのも初めての体験) 10万マイル越えの古いBMW750で、昨年11月にきた時とおなじメキシカンレストランへ。当初、場所がわからずうろうろしたが何とか到着。レストラン名、SI SENOR。 コーンチップから始まる料理は美味しく、メキシコ料理が好きな二人は、あっという間に平らげた。

BFL-REI
 今度は私がPICでGorman VOR経由、Redlandsに向かう。BFL GroundからFlight Followingが必要か聞かれたのでイエスと応答。 Runway30Rへのタクシング中にFrequency 126.45, SQUAWK 4703が与えられた。離陸、13:37.
上昇中にSOCALにコンタクト、"SOCAL Approach, Cessna 3426E, 3500, climbing for 8500." と送信したところ、7500を勧められた。 たしかに東行きは奇数かける1000ftプラス500が決まりのVFR巡航高度で、うっかりしていた。
EOC13:55, 上昇時間18分。この後、Appro-ach Hand Offは、118.8, LA Center 1225.8, 124.55, 118.6, 121.7 とJoshua Approachも含めて、Approachが続いた。 Altimeter settingはアドバイスを受けたが、このコースはもともとあまりtraffic の多くないところ、これ以外のアドバイスを受けることもなくCajon Pass空域にきたので Frequency Changeをリクエストし、Flight Following からVFR, 1200に戻る。
帰路は順調にフライト、SBD北側をTransition Requestして通過、REI帰着。Securing 完了、15:15。1時間38分のフライトタイム。

初めての一泊フライトツアーを終えて・・
 Redlandsを中心の日帰りフライトに加え、今回はじめて一泊フライトツアーを行うことが出来た。
 途中経由地と目的地の気象条件、翌日出発からRedlandsまでの気象条件などが全てVFRでいけるかは最大の心配事。今回は戻りの出発を少し遅らせる程度で済んだ。 少々長い飛行時間も2人パイロットでお互い補い合えるのでソロのような緊張感は無い。
 初めての空港訪問、降りてからのタキシングでの無線会話では、初めて聞く言い回しや操作が続出。英語聞き取りの困難もあり、タワーやグラウンド管制官はさぞかしあきれているだろう。 でも、相手(私たち、ネイティブでないPilot)を知り、ごくゆっくり話しかけてくれる親切な管制官ばかりで助かる。
 駐機料を払ったのも初めて体験。
 初めての空域にロングXCで行くと、新体験が豊富。
San Luis Obispo 
 宿泊を伴うフライトツアーの当面の目標地San Franciscoへの途中として選んだだけのSLOだったが、期待を越えて魅力的な地域だった。中でも川沿いのレストランNOVOは雰囲気も味もGOOD!  SLOご自慢のワイナリーへは時間不足でいけなかったのは心残り・・。