- - - Takeoff Runway 26 - - -          トピックス へ

Chino空港 "Planes of Fame" 航空博物館

アメリカの飛行場には航空博物館を併設しているところが多いらしい。 このChino空港もそのひとつ。日本人には、零戦が、飛行可能な状態で保存されているので、ぜひとも訪問してみたいところだ。Redlandsから近いので、 今日はフライトなしとして、ここを見物することにした。
 レンタカーをドライブ、フリーウエーを30分くらいはしり、降りて少々で航空博物館 "Planes of Fame"に着く。となりの敷地には似た名前のAircraft Museum(?)もあり間違えて入ってしまった。今後訪問する人は要注意。

入り口で入場券購入。ここは航空関連の書籍やDVD、ウエアや種々のプラモデル、小物が陳列されている。なかには日本語の本も。じっくり見たいが先をいそぐ。

では、展示室に入場。
 以下の写真は、写真をクリックすると高精細な写真が見られます。

Boeing P-26A "Peashooter"


初めの展示スペース。まず、Boeing P-26A "Peashooter(豆鉄砲)"だ。 米国陸軍航空隊により採用された、初めての全金属製の量産戦闘機であり、初めての単葉追撃機(それまでは複葉機だった)だ。 1932年頃から導入され第二次大戦にはいった1941年まで使用された。

Boeing P-12

並んで展示されているのが、Boeing P-12。P-26が採用されるまで米国陸軍航空隊の追撃機だった、複葉機。1929年から366機が導入された。
 第17追撃グループにより、CaliforiniaのMarch Field(軍飛行場)ほかで運用された。このMarch FieldはRedlandsの南、10マイルにあり、その東には私が学んだMIAir(いまのMYAir)Flight Schoolの訓練空域がある。
 この機体も飛行可能だ。

HANRIOT HD-1


続いてフランスの飛行機、HANRIOT HD-1。これはエンジン、プロペラがいかにもユニーク。というのはクランク軸が機体に固定、シリンダブロックとプロペラが一体構造で回転してしまうのだ。 フィン付の空冷シリンダーが回転して冷却効果抜群というわけだが、オイルが遠心力でシリンダーヘッドに集まってしまうので戻すのにどんな機構がついているのか興味が湧く。結局この形式のエンジンは主流にはならなかった。

・エンジンはLeROHNE、9気筒120HP(馬力)のRotary Engineとある。ロータリーでもあのバンケル型とは意味合いが異なる。エンジンの機構は、カバーに隠れて見えないのが残念!

1903 Wright 複葉機

■さらに進むと、今度はライト兄弟の初飛行実験機(再現複製機だろう)が展示されている。本物はたしかワシントンのスミソニアン博物館にあり、かって見たことがあるが、当時はパイロットライセンス取得のずっと以前で、じっくり観察はしなかった。それに、確か天井から吊られていてそばに寄れなかったと思う。

・主翼がうしろ、前に安定版カナード翼がついたタイプで現在の飛行機の主流ではない形式だ。プロペラは主翼の後ろにあるプッッシャータイプ。 1基のエンジンからチェーンで駆動、片方は捻って、プロペラを反転させている。主翼、カナード翼、垂直尾翼がすべて複葉なのも面白い。

P-38J Lightning(稲妻)

この展示館の出口付近にあるのが、Lockeed P-38J Lightning(稲妻)。
 アメリカ陸軍航空隊の第二次大戦時の爆撃・長距離護衛戦闘機。太平洋作戦争の全期間を通じて活躍した唯一の飛行機で、P-51 Mustang が登場するまでの主力戦闘機だった。機体は双胴・双発で中央胴にパイロットコックピットがあり、また武装している。
 1943年4月18日、16機のP-38が、6機のゼロ戦に守られた日本連合艦隊司令長官、山本五十六をのせた三菱G4M高速爆撃輸送機を、太平洋ブーゲンビル島付近で撃墜したことで有名。
 Empty Weightは5800kg, エンジンはAllison V-1710、液例、ターボ過給V-12型で1725HPを2基搭載している。 SOHC 4バルブ形式は近時自動車で良く使用されているがその方式を採用している。

-----------------------------
最初の展示館を出ての景色。
ハンガーのような展示館を出ると、そこはカリフォルニアの空の下、屋外にもいろいろな機体が展示、というよりレストア待ち保管中といった姿勢で置かれている。


------------------------------

P-51D Mustangムスタング

次の展示館は、P-51D、レシプロ単発単座戦闘機。 North American Aviation社製造。同社は後にBoeing社に合体。愛称はムスタング(アラビア原産でアメリカに野生化した馬)だ。
 展示というより、整備中の機体もあり、すぐにも飛べそうな状態になっている。実際、説明には"Flyable"とある。実際、この機体はReno Air Raceにも出場したそうだ。 Mustangの開発機は1940年初飛行。それまでの開発期間が9ヶ月という超短期開発だった。
 エンジンは、有名なRolls-Royce Merlinを米国Packerd社が製造したV-1650, 1490馬力。

 層流翼を採用、翼内にスペースを確保して脚や武器装備を充実などして戦闘性に優れていた。 このエンジンは液冷却だがそのラジエターを胴体下部後方につけて効率化をはかり、なお、熱交換で暖められた空気を噴射して僅かではあるが推進力に利用、とうことです(ほんとかなあ?)。

 P-51は、第二次世界大戦途中から戦闘参加、優秀な戦績を残し、最高のレシプロ戦闘機の一つとされ、合計16000機弱製造された。その生産数は米国製戦闘機では1,2位を争う。
  

戦時の姿のP-51。
特徴ある胴体下部、ここにラジエター装備。

(写真ソース:Boeing.com)


=========================================================================================
ということで、この博物館の展示の1基1機、背景を調べれば、とても密度の濃い、興味の尽きない歴史を抱えている。 まだ紹介したいものはありますし、ゼロ戦にたどり着いていませんが、ここでパート1として暫時筆を(キーボードを?)置くことにします。