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<役立ち情報> 保険の話 Update2009年12月

<2009年12月改訂>
2009年6月には、それまで渡米ごとに契約していた東京海上日動の海外旅行保険で飛行機操縦特約付の旅行保険の仕組みが変わり、事実上契約ができなくなりました。 再度、各保険会社にコンタクトし、結局、「日本興亜損保」が、従来の東京海上日動と同様な契約が可能ということがわかり、 今年から同社で契約しています。

飛行機をアメリカで操縦するとき、保険はどうすればいいでしょうか、考えたことがありますか?
・日本から、観光旅行目的でアメリカに入る。  ・飛行機訓練校から、飛行機をレンタルする。  ・友人などと、観光フライトツアーに出かける。
とうケースで考えました。

<結論>
1.自分自身のために、航空機操縦特約付きの海外旅行保険に入る。いまのところ、「東京海上日動」がその特約
 付きを提供している。

2.機体レンタル会社が、第3者への損害賠償責任保険、レンタル機体の損害保険に入っているのを確認すること。
 (入っていなければその会社からはレンタルしない)
3.同乗者は、自ら、軽飛行機搭乗(操縦でなく同乗者として)しても大丈夫なことを確認のうえ、海外旅行保険に入
 ること。


以下は、アメリカの保険など、いろいろ調べた経緯です。

実は、2006年12月、免許取得4ヶ月後に、アメリカでの第1回エンジョイフライト旅行に期待に胸を膨らませて出かけました。 その時は、何も考えておらず、クレジットカードに付帯する旅行保険がカバーするはずと思っていました。その時は、保険が出番になるような事態はなく終わったのですが。 (あったら大変??)

その後、テレビなどで、軽飛行機の事故が報道されて、家族から、「アメリカで事故にあって、家族に迷惑を掛けないでくださいね!!」「捜索費用が相当高いそうだけど、 残された家族の生活が崩壊してしまうなんてことにならないでしょうね!」とか、矢継ぎ早に攻められて、「それでは」と、そのクレジットカード付帯の旅行保険の保険内容を 調べ始めた。クレジットカードに付帯する海外旅行保険で補償されているものと思い込んでいました。が、 「何かあったとき、捜索費用、救援費用とかで、家族に大きな犠牲を掛けないでしょうね?」という家族からの言葉に、根拠無しに「シンパイナーイ!」ともいえず、 調査確認を開始。

ところで、アメリカで、パイロットとオーナーの会員組織であるAOPAは、Renter(飛行機を借りて飛ぶパイロット) のための保険も準備している。 それによると、飛行機レンタル会社は、自社防衛のため、対人対物損害賠償、保有機体の損害補償のために、通常、保険に加入している。しかし、事故によっては、準備している 保険では不足して、被害側から、パイロット側にまで賠償請求が来ないとはいえない。また、パイロット、搭乗者に対しても保険を掛けている場合もある。しかし、これは自社防 衛のためである。ゆえに、パイロット側も保険で、万一に備えるべきだ、というわけだ。

AOPAが提供している保険はRenter Liability Insurance と呼ばれ、対人対物責任補償、搭乗者補償、さらにオプション(Optional Coverage for damage to non-owned aircraft) で、借り出し機体の損害補償を行っている。さらに 本人の死亡・後遺障害に対しては、別の、Aviation AD&D Insurance に加入できる。

しかし、このAOPA保険は、問い合わせたところ、アメリカ居住者しか加入できないとのこと、で日本からの旅行者には、加入できないことが分かった。念のため、次に、 航空用保険で、よく航空雑誌で広告を出しているアメリカの保険会社、AVEMCOにメイルを出して調べたが、やはり、アメリカ居住者でないと、加入できないとのこと。

とにかく、このアメリカの保険の 調査で、万一の事故などに遭遇した場合、右の基本的な4つの項目と、また、日本からの旅行者の場合には、表内2つの項目も、保険で補償されるのかは大きな関心事。

ということで、件のクレジットカード会社、UCですが、そこに電話して調査開始。聞き方は、「アメリカでの飛行機操縦免許保有者だが、 現地で、飛行機をレンタルして自ら操縦し、観光旅行をしたい。UCカード付帯の保険ではこの旅行で万一の場合、補償が可能ですか?」 答えは「出来ません」、NOだった。 UCは保険を「損保ジャパン」に委託していて、その規則に従っているとのこと。

「えー!」と私。 2006年12月、アメリカでの第1回エンジョイフライト旅行は、結果としては無保険で、空を飛んでいた・・・ことになって いたんだ!

それではと、日本でグライダー機体保険を扱っているということで知られている、「ニッセイ同和損保」 にあたったが、操縦者向けの保険も、操縦可能な海外旅行保険も扱っていません、ということで。ここも駄目。

アメリカ系の保険会社はどうか?ということで「AIU」に確認した。「教官同乗の訓練飛行なら、海外旅行保険特約があるが、免許保有者のレンタル単独飛行は含まれません」で、やはり駄目。

だめもとで、保険では日本で最大手の「東京海上日動」に電話してみた。すると、意外にもいいレスポンス。
海外旅行保険の特約で可能とのこと。よかったー。で、この特約は、空港などにある保険会社のカウンターでは加入できず、代理店の方が自宅に来て、書類を作るとのこと。

説明を聞き、また約款をじっくり調べて判ったことは、必ずしも「よかったー」というわけにもいかず、海外旅行保険で対応できる項目は、 右表のとおり。

この結果を、初めの保険関心項目と対比すると・・・

自分のことはカバーされるが、第3者がらみは駄目ということだ。 やはり、 AOPAやAVEMCOのパイロット保険のようなわけにはいかない。

対応としては、相手側損害、機体損害については、レンタル会社の保険内容をしっかり確認し、十分な額が掛けられているか確認が必要だ。 私の確認例では、A社では、
機体の場合、免責額 $1500とかが、パイロット側の負担になるかもしれない。また、別の町のB社で聞いたら、「十分な保険に加入しています」と社長らしい人が胸を張っていた。 その時は詳細は聞かなかったが。

同乗者に対しては、自分で操縦するわけではないので、普通の海外旅行保険でカバーされるはずなので(要確認)、 自ら対応してもらうしかないだろう。

結論
1.自分自身のために、航空機操縦特約付きの海外旅行保険に入る。いまのところ、「東京海上日動」がその特約
 付きを提供している。

2.機体レンタル会社が、第3者への損害賠償責任保険、レンタル機体への損害保険に入っていることを確認するこ
 と。(入っていなければその会社からはレンタルしない)
3.同乗者は、自ら、軽飛行機搭乗(操縦でなく同乗者として)しても大丈夫なことを確認のうえ、海外旅行保険に入
 ること。

なお、この項で記された内容は、筆者が調査して理解している内容をそのまま記載したもので、内容の正確さは保証できません。 参考程度ということで、自身の契約に際しては、自ら確認するのが当然と、お考えください。飛行機の操縦と同じく、 あくまで自己責任です。