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航空ショーに展示されたHonda新次世代プロペラエンジン。
提携エンジンメーカーTCM社は、Hondaとの協力でラインナップに厚みと先進性を加えていきたいと期待を寄せている。 | |
Hondaは空のモビリティの未来を見据え1986年から小型ジェット機開発を進めてきた。2003年からいよいよ機体、エンジンを一体化した実験機の製作に入った。そしてもう一つのアプローチとして、実用化に近いのが、2000年から開発してきたプロペラエンジンだ。 水冷4気筒6000cc新次世代エンジンにはHondaが培ってきた環境技術が盛り込まれている。メカニズムに独自の工夫で軽量コンパクト化を実現、リーンバーン技術で燃費を高めた。無鉛ガソリンが使用可能なのも業界初だ。 米国はクリントン大統領時代に小型航空機をクルマのようなモビリティとして積極的に活用しようという構想のもと、インフラや法整備を進めてきた。一方航空機自体も機体の新素材やナビゲーションシステムなどが進歩し、操作系もクルマの運転席かと思うほどに変わっている。 だが航空機エンジンはこうした進化と比べれば、取り残された存在になっていた。ショーの見学者が興奮するのも無理からぬことだったのだ。 開発担当の本田技術研究所の上席研究員長谷川俊平さんは、「空への想いは、創業者・本田宗一郎以来の伝統。Hondaの参入でGAの世界が活性化すれば」と空への夢を膨らませる。
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