環境への取り組み Hondaの環境コミュニケーション誌 e-dream
   
AVIATION ENGINE
航空エンジン
   
 世界中から集まった航空機約1万機が広大な芝生の上に並ぶ。2003年の夏、米国で70万人を集めたジェネラルアビエーション(GA)の航空ショー「EAAエアヴェンチュア・オシュコシュ」。GAは旅客機や軍用機以外の自家用機を中心とした分野で、米国にはこうした航空機が約20万機ある。飛来した飛行機の中にはオーナー自らキットを組み立て、操縦桿を握ってきたものも少なくない。
 その一角でファンの話題をさらったのが米国の航空機エンジンメーカー「テレダイン・コンチネンタルモーターズ(TCM)」のブース。そこにはHondaエアロパフォーマンス(HAP)チームが開発したプロペラ機用の次世代小型ピストンエンジンが展示されていたのだ。
「発注書はないのか」「わが家はクルマをはじめHonda製品だらけ。飛行機もHondaにしたい」見学者の熱気は急上昇だ。
 
航空ショーに展示されたHonda新次世代プロペラエンジン。 提携エンジンメーカーTCM社は、Hondaとの協力でラインナップに厚みと先進性を加えていきたいと期待を寄せている。
 Hondaは空のモビリティの未来を見据え1986年から小型ジェット機開発を進めてきた。2003年からいよいよ機体、エンジンを一体化した実験機の製作に入った。そしてもう一つのアプローチとして、実用化に近いのが、2000年から開発してきたプロペラエンジンだ。
 水冷4気筒6000cc新次世代エンジンにはHondaが培ってきた環境技術が盛り込まれている。メカニズムに独自の工夫で軽量コンパクト化を実現、リーンバーン技術で燃費を高めた。無鉛ガソリンが使用可能なのも業界初だ。
 米国はクリントン大統領時代に小型航空機をクルマのようなモビリティとして積極的に活用しようという構想のもと、インフラや法整備を進めてきた。一方航空機自体も機体の新素材やナビゲーションシステムなどが進歩し、操作系もクルマの運転席かと思うほどに変わっている。
だが航空機エンジンはこうした進化と比べれば、取り残された存在になっていた。ショーの見学者が興奮するのも無理からぬことだったのだ。
 開発担当の本田技術研究所の上席研究員長谷川俊平さんは、「空への想いは、創業者・本田宗一郎以来の伝統。Hondaの参入でGAの世界が活性化すれば」と空への夢を膨らませる。
   
 
Honda@SKY  NEWS 
 
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創刊号 2004年1月
 
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http://www.honda.co.jp/e-dream/e-dream01/asky.html | 取締役社長 福井威夫 メッセージ | 空に贈る風のロマン